「伝家の宝刀」は「諸刃の剣」
2025/06/21
毎年、通常国会の最後に提出される「内閣不信任案」が今回は提出されない。なぜなら「採決」される可能性が高いからだ。
実質的な法案提出権限の有る野党第一党である立憲民主党の野田代表が、苦渋の理由を述べながら提出見送りの言い訳をしている。
内閣不信任案を提出するのは、野党が存在を示すためのパフォーマンスであり、通常国会終盤の風物詩であった。当初は野田代表も「刃を磨きながら判断します」と脅しをかけていた。
しかし、今回は衆議院で過半数の議席を野党が占めており、野党が結束すれば可決できるので「伝家の宝刀」の法案として注目が集まった。
最近の与党は小泉農水大臣の登場で、コメ問題が劇場化して与党の支持率が上向いている。石破首相はこの機会に一気に衆参同日選挙に打って出て少数与党を解消したいと思っている。
内政的には政権強化のチャンスかも知れないが、対外的にはトランプ関税の交渉が佳境に入っており、イスラエル・イラン紛争の真っただ中に政治空白は国益に反する。
いくら毎年の風物詩と言っても、今回については野党側もリスクが高く、野田代表の動向をかたずをのんで見守っていたが野党も衆議院総選挙は避けたく、「諸刃の剣」であった。
結局は野田代表が内閣不信任案の提出見送り、他の野党の党首達は「情けない」と嘆きながらも、本音では安堵した事と思う。
今国会は、各法案ごとに各野党と協調しながら法案を成立させてきた。与党と野党が互いの主張を補完しながら政策を決めており、ある意味民主主義の本領発揮なのかもしれない。
通常国会もいよいよ明日で閉幕し、トランプ関税の猶予期限や参議院議員選挙が迫っております。内外の課題山積の政治期間に入ります。注目して行きましょう!
まずはお気軽に無料相談
居住用や収益用物件等の不動産取得や、新築・リフォーム・入居者募集や賃貸管理等、
不動産や建築に関する事なら、何でもお気軽にご相談下さい