「年金改正法案」しれっと可決。
2025/06/08
今国会で、いつの間にかしれっと「年金改正法案」が可決されていた。
政府案では、国民の反発を恐れて将来的な「基礎年金底上げ案」を敢えて封印していたが、野党第一党の立憲民主党から「あんこの無いあんぱんだ」と揶揄され、助け舟に乗っかるように無修正で可決した。
基礎年金(国民年金)は、給料から天引きされる厚生年金と違い、企業に勤めていない方が自主的に納めるので、納付率はおよそ50%程度と言われている。(国民年金を収めるより生活保護を受けた方が断然お得だから)
厚生省の試算では、基礎年金部分が今後目減りして行き、非正規雇用者が多い「就職氷河期世代」が年金を受給する時には生活が成り立たない恐れがあるとの事である。
厚労省では、厚生年金の余剰分である積立金を基礎年金に補填し底上げを図る案を出していたが、厚生年金を収めている国民からの反発を危惧した自民党よりストップされた。しかし、立憲民主党が「将来的に底上げする」との約束を今回の法案に盛り込んだ。
テレビドラマでも話題になっているが、現在の日本では「専業主婦が絶滅危惧種や希少種」と言われており、現行の年金制度が時代遅れで改変が必要と言われ、パートやアルバイトをいかに厚生年金へ加入させるかが急務の課題となっている。
今回の改正でも、企業で働く非正規労働者を根こそぎ厚生年金に加入させ、しかも長く長く働いてもらい限界(70歳)まで厚生年金保険料を納めてもらう改正案になっている。
更に、専業主婦に永続的に支給されていた遺族年金にも大ナタを振るい、将来的に60歳未満なら5年間の有期支給に変更し、どうせ専業主婦は少数者なので若ければ働けとの政策に変更された。
但し、国民の反発を避けるために「男女平等」を掲げて男性も対象に含め、未成年の遺児については受給要件を大胆に緩和して公平性も演出している。
更に、今まで厚生年金の月額報酬上限を65万円までとしていたが、これを75万円までに引き上げて高所得者への保険料を値上げした。(その分、年金も増加支給される)
iDeCo等の資産運用をした場合の減税期間を70歳までに引き上げ、年金に頼らず自力で老後資金を得る事へも便宜を図っている。年金制度はよく「積立金制度」と誤解されているが、実際には「賦課制度」であり現役世代が高齢者を支える制度である。戦前・戦後から面々と年金制度が改変され、世代間の公正を図るために非常に複雑な制度となってしまった。一番すっきりするのは国民年金を廃止して、その分の消費税をアップさせ完全税金負担による基礎年金とし、厚生年金は積立金方式に変更すべきである。しかし、現行既に年金を受給している方の受取額が減少したり、長生きすれば厚生年金分の積立金が尽きて基礎年金だけになるので、改正するには大問題になるのも分かっている。難しい問題である。
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